ビスマスセレン青銅とは?
ビスマスセレン青銅とは? ― ビスマス・セレンの効能を活かした鉛フリー銅合金
ビスマスセレン青銅の紹介
ビスマスセレン青銅(Bismuth-Selenium Bronze)は、銅(Cu)にスズ(Sn)を主要成分として配合し、さらにビスマス(Bi)とセレン(Se)を添加することで、鉛(Pb)を含まずに高い耐圧性・加工性を実現した環境対応型の銅合金です。
この素材は、従来の鉛青銅で課題とされてきた「鉛溶出」や「環境規制への対応」を克服し、水道設備・配管・給水装置など、人や環境に直接関わる分野での利用が拡大しています。
代表的な型番として、CAC911C/CAC911は厚肉鋳物における高耐圧性で知られ、CAC912はCAC911の特性に加えて100 ℃を超える高温条件下での安定性能がJISにおいて明記されています。
ビスマスとセレンの添加により、従来の鉛を使用することなく、優れた切削加工性と鋳造性を維持しながら高い耐久性を確保。
環境負荷の低減と高信頼性を両立した、次世代の高性能青銅合金として注目されています。

ビスマスセレン青銅の一般的な特徴
鉛を使用しない環境対応合金
人体や環境への安全性を高めた、次世代の環境配慮型青銅です。
高い耐圧性
優れた加工・鋳造特性
また、切削加工時の仕上がりも安定しており、生産性に優れています。
高温環境への適応性
耐熱性が求められる機器にも適用可能です。
長期間の信頼性と衛生性
安全性・耐久性を両立した設計で、生活・産業インフラを支える材料として評価されています。
主な用途
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水道・配管関連部品(配管継手・バルブ・止水栓・給水栓・給水機器部材)
- 給水・給湯設備、給水管用各種部品(厚肉鋳物・耐圧構造材)
- 高温・高圧用途部材(型番CAC912が明記する100 ℃超用途含む)
- 環境・衛生関連機器(鉛使用禁止・低溶出仕様が求められる機器)
JIS規格に基づく代表的な青銅材(鋳造材)
| 材料記号 | 特徴 |
|---|---|
| CAC911C(–) |
銅を主成分とし、スズ(Sn)3.5~6%、ビスマス(Bi)0.8~2.5%、セレン(Se)0.1~0.5%を含有する連続鋳造鋳物。 |
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CAC911(–)
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銅を主成分とし、スズ(Sn)3.5~6%、ビスマス(Bi)0.8~2.5%、セレン(Se)0.1~0.5%を含有する鋳物材。 ビスマスとセレンの複合添加により、従来の鉛青銅に近い切削性と鋳造性を維持しながら、高い耐圧性と耐食性を発揮。 鉛を実質的に含まないため、飲料水や衛生機器など人体に接する用途でも安全性が高い。 厚肉鋳物にも適し、圧力を受ける継手・バルブなどへの使用を想定した設計。 |
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CAC912(–)
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銅を主成分とし、スズ(Sn)2.5~5.5%、ビスマス(Bi)0.8~1.5%、セレン(Se)0.1~0.5%にニッケル・リンを添加した鋳物材。 CAC911系の上位グレードとして、高温・高圧条件を想定した仕様。長時間の加熱環境や繰り返し圧力に対しても、変形や腐食を抑える構造特性を持つ。 高温や蒸気条件下の流体、給水系に最適。 |
製造と供給形態
Jマテ.カッパープロダクツでは、用途や形状に合わせて多様な鋳造方法を採用しています。
| 連続鋳造材 | 丸棒・パイプ・六角棒など、高寸法精度・高品質な長尺材。外径10~300mmまで対応しています。 (受注生産対応) |
|---|---|
| 遠心鋳造材 | 健全な外周組織が得られ、パイプ形状に最適です。1点から製作可能です。 |
寸法や在庫サイズについては、各材質の詳細ページにてご案内しています。