黄銅とは?
黄銅とは? ― 銅合金の中で最も汎用性に優れた素材
黄銅の紹介
黄銅(Brass)は、銅(Cu)に亜鉛(Zn)を主成分として加えた合金で、加工のしやすさ・電気伝導性・機械的強度・加工性などの特性をバランス良く備えた、最も広く利用されている銅合金のひとつです。
古くから装飾品や貨幣、楽器、日用品などに使われてきた素材であり、その美しい金色の外観と優れた加工性により、機能材と装飾材の両面で高い実用性を発揮します。
現代では、電気・建築・自動車・機械・水道関連など、多種多様な産業分野で用いられており汎用性の高い金属素材です。
黄銅の一般的な特徴
加工性が良好
銅と亜鉛の合金構成により、切削・成形・冷加工・熱加工が比較的容易です。
良好な導電性・熱伝導性
銅を主成分とするため、電気・熱を効率よく伝えることができます。
見栄え・仕上げ性が高い
黄金色に近い外観を持ち、装飾用途や建築金物にも好まれます。
鋳造・成形性・再生性に優れる
鋳造、押出、板材加工等多様な加工法に対し、リサイクル利用も活発です。
主な用途
- 水道・配管関連部品(継手・バルブ・ナット・給水金具)
- 建築金物・装飾材(扉金具、手すり、室内装飾・家具金物)
- 電気・電子部品(端子・接点・スイッチ・コンネクタ)
- 楽器・音響部品(金管楽器、ギター部品、ドラムハードウェア)
- 機械・装置部品(ギア・歯車・軸受・スリーブ・金型部品)
JIS規格に基づく代表的な黄銅材(鋳造材)
| 材料記号 | 特徴 |
|---|---|
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CAC201(YBsC1)
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銅と亜鉛を主成分とした黄銅鋳物の中でも、亜鉛含有量を低めに抑えた鋳物材。 熱間加工・ろう付け・表面処理などとの親和性が高く、装飾性と機能性を兼ね備える。 外観が明るく、金色光沢を重視する用途や軽負荷部品に適する。 |
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CAC202(YBsC2)
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銅‐亜鉛に少量の鉛(Pb)を加え、切削性と鋳造性を改善した黄銅鋳物。 鋳造工程での流動性が高く、量産部品や複雑形状の金具に適している。 強度・硬さよりも加工性・経済性を重視した設計で、日用品・設備部品など汎用性が高い。 |
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CAC203(YBsC3)
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Cu-Zn-Pb系の中でも、より高い引張強さを持つ強度重視型の黄銅鋳物。 鉛添加により被削性を維持しながら、中荷重用途や構造部品にも使用可能。 鋳造後の寸法安定性や耐摩耗性も高く、長期使用部品や精密部品に向いている。 |
製造と供給形態
Jマテ.カッパープロダクツでは、用途や形状に合わせて多様な鋳造方法を採用しています。
| 連続鋳造材 | JIS規格の適用がありません。 |
|---|---|
| 遠心鋳造材 | 健全な外周組織が得られ、パイプ形状に最適です。1点から製作可能です。 |
寸法や在庫サイズについては、各材質の詳細ページにてご案内しています。