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高力黄銅とは?

高力黄銅とは? ― 高強度・耐摩耗性に優れた銅合金

高力黄銅の紹介

高力黄銅(High-Strength Brass)は、銅(Cu)と亜鉛(Zn)を主成分とする黄銅に、アルミニウム(Al)や鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)を添加して、強度・耐摩耗性・耐食性を高めた高性能銅合金です。
一般的な黄銅に比べて引張強度や硬度が高く、衝撃や摩耗に強いことが特徴で、歯車・軸受・ポンプ部品・建設機械・船舶部品などの高荷重・過酷環境下で使用されます。

高力黄銅の一般的な特徴

高強度・高硬度

アルミニウムや鉄の添加により、一般黄銅よりも引張強度・硬度が大幅に向上。

優れた耐摩耗性・耐摩擦性

摺動や回転が多い部品に適しており、ギア・軸受・スリーブなどで長寿命化を実現。

高い耐食性

アルミニウムやニッケルの効果により、主に海水の腐食環境でも安定。
水回りや屋外、海洋機器などにも使用可能。
 

主な用途

  • 機械部品・軸受(ベアリング)類
    ギア、スプロケット、摺動部品、ブッシュ、スリーブ、スライド部品、ベアリング保持器など(高荷重・高摩耗環境での安定使用)
  • ポンプ・バルブ・流体制御部品
    ポンプ、バルブ、水回り部品、油圧・空圧機器の制御部品(耐摩耗性・耐圧性・耐食性を活かした用途)
  • 建設機械・重機部品
    クレーン、掘削機、その他建機の可動部、リンク・ピン部品(高荷重・衝撃環境での長寿命化)
  • 船舶・海洋機器
    スクリュー、プロペラ、海水ポンプ、バルブ、推進装置など(海水耐食性を活かした用途)
  • 自動車・航空機部品
    トランスミッション部品、エンジン摺動部品、動力伝達要素など(耐熱・耐摩耗性を要求される高精度部品)

JIS規格に基づく代表的な高力黄銅材(鋳造材)

材料記号 特徴
CAC301C(HBsC1C) 
CAC301(HBsC1)
一般の快削黄銅と比べ、強度・耐摩耗性・耐食性が高い。
CAC302C(HBsC2C)
 CAC302(HBsC2)
CAC301と比べ、化合物量が多く、強度・耐摩耗性は良いが、伸びは劣る。
CAC303C(HBsC3C)
 CAC303(HBsC3)
CAC301、CAC302と比べ、鉄(Fe)・アルミ(Al)・マンガン(Mn)を多く含有しており、強度・硬度・耐摩耗性は高いが、伸びは劣る。
CAC304C(HBsC4C)
 CAC304(HBsC4)
当社標準在庫材。上記3材種と比べ伸びは一番低いが、高硬度、強度が一番で耐摩耗性に優れる。

製造と供給形態

Jマテ.カッパープロダクツでは、用途や形状に合わせて多様な鋳造方法を採用しています。

連続鋳造材 棒・パイプ・板の在庫展開をしています。在庫のないサイズについては受注生産対応となります。
遠心鋳造材 健全な外周組織が得られ、パイプ形状に最適です。1点から製作が可能です。
熱間押出材
CAC304相当品として在庫展開対応しております。

寸法や在庫サイズについては、各材質の詳細ページにてご案内しています。

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