シルジン青銅とは?
シルジン青銅とは? ― 優れた耐食性と強度を持つ鉛フリー系銅合金
シルジン青銅の紹介
シルジン青銅(Silzin Bronze)は、銅(Cu)と亜鉛(Zn)を主成分としてシリコン(Si)を添加し、強度・耐食性・被削性を高めた銅合金です。
主要な用途としては、鉛がほとんど含まれていないため、水道中への鉛浸出量がほとんどなく水道部品に使用されます。RoHS対応品につき鉛規制の代替材としても有効です。
優れた熱間鍛造性を有し、脱亜鉛腐食や応力腐食割れの問題にも対応します。

シルジン青銅の一般的な特徴
高強度と耐食性
シリコンの特性を活かしてた成分比となっており、高い強度と耐食性を発揮。
その特性により水道部品に多く採用されています。
その特性により水道部品に多く採用されています。
脱亜鉛腐食や応力腐食割れの問題を解決
金属組成の特徴から脱亜鉛腐食が起こりにくく、応力腐食割れの問題もクリア
環境配慮型製品
鉛の含有がほとんどないため、環境配慮型製品の採用に最適。
主な用途
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水道・配管部品(蛇口・バルブ・継手・配管コネクタ・水道メーター)
- 飲料・食品機械部品(ポンプ・ノズル・バルブ・包装機器・醸造装置部品)
- 環境配慮型製品(RoHS/REACH対応機械部品・建設資材・配管材料)
- 軸受・摺動部品(従来の青銅材の代替 ブッシュ・スリーブ・摺動リング)
JIS規格に基づく代表的なシルジン青銅材(鋳造材)
シルジン青銅と各種比較表
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特性
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青銅(CAC406C) |
ビスマス青銅(CAC902C)
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シルジン青銅(CAC804C)
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主成分
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Cu–Sn–Zn-Pb 系 (Cu 83~87 Sn 4~6 Zn 4~6 Pb 4~6) |
Cu–Sn–Zn-Bi 系 (Cu 85~90 Sn 4~6 Zn 4~8 Bi 1〜2.5) |
Cu–Si-Zn系 (Cu 74~78 Zn 18~22.5 Si 2.7〜3.4) |
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引張強度
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245min (Mpa) | 245min (Mpa) | 350min (Mpa) |
| 伸び | 15% min | 20% min | 18% min |
| 耐食性 | 良好 | 良好 | 耐エロコロ性で406・902にやや劣る |
| 被削性 | Pb含有で良好 | CAC406Cと比べ劣る | CAC902Cと同等 |
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主用途
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給水器具、バルブ、軸受、ギヤ、摺動部品 | 給水器具、バルブ、ポンプ、環境系製品 | 給水器具、バルブ、ポンプ、環境系製品 |
製造と供給形態
Jマテ.カッパープロダクツでは、用途や形状に合わせて多様な鋳造方法を採用しています。
| 連続鋳造材 | 丸棒・パイプ・六角棒など、高寸法精度・高品質な長尺材。外径50~250mmまで対応しています。 (受注生産品) |
|---|---|
| 遠心鋳造材 | 健全な外周組織が得られ、パイプ形状に最適です。1点から製作可能です。 |
| 熱間押出材 | 受注生産にて対応しております。サイズ等はお問い合わせください。 |
寸法や在庫サイズについては、各材質の詳細ページにてご案内しています。