ASPACにいがたEXPO出展レポート
DX 2026年6月22日
Jマテ.カッパープロダクツ株式会社
代表取締役社長 山本 耕治
2026年6月12日から14日までの3日間、新潟市で開催された「ASPACにいがたEXPO」に出展しました。当社にとって、国際イベントを通じて自社の技術やDXの取り組みを社外へ発信する貴重な場となりました。本業である銅合金加工・水道関連部品の製造技術に加え、製造業のDX実践事例、新規商品開発、海外企業との連携を広く紹介しました。
今回の出展では、単に製品を並べるのではなく、「Jマテ.カッパープロダクツ(以下JCP)が何を作る会社なのか」「なぜDXに取り組むのか」「地域や海外企業とどのようにつながろうとしているのか」を、来場者に短時間で理解していただくことを重視し出展いたしました。海外ゲスト、行政関係者、地域企業、製造業関係者、観光・接客業の方など、幅広い来場者と対話する中で、当社の現在地と今後の可能性を改めて確認する場となりました。
【出展内容の概要】
- 銅粉・水道関連部品
銅粉展示では、モンゴル企業であるSteppe Metal Powder LLC(ステッパメタルパウダー 、以下SMP)社との連携や、銅素材の将来的な可能性を紹介しました。銅粉は、3Dプリンター、焼結、圧力成形などの分野で活用が期待される素材であり、切削工程を抑えた部品づくりにもつながる可能性があります。来場者には「将来性のある技術」として関心を持っていただきました。
また、水道関連部品については、当社の本業を伝える重要な展示となりました。当社は、地下配管に使われる継手やナット、水道メーターケースなど、社会インフラを支える部品を製造しています。鋳造から加工までの一貫体制、自動機による量産対応、切粉や端材を自社の溶解炉で再利用する循環型のものづくりについて説明しました。後半にはインゴットも展示し、銅合金そのものの質感や存在感が来場者の目を引く結果となりました。
- DXナレッジノートの可能性
Mold-X(モールドエックス)ナレッジノートは、今回の出展の中でも特に関心を集めた展示でした。当社では、ベテラン作業者の勘やコツ、安全上の注意点、現場での判断基準を、動画・写真・文字起こし・生成AIを活用して手順書や教育資料に変換する取り組みを進めています。
製造業の現場では、金属の状態を色で判断する、段取りの良し悪しを感覚で捉えるといった暗黙知が多く存在します。一方で、高齢化、人手不足、外国人技能実習生への教育などにより、従来のOJTだけでは技術伝承が難しくなっています。来場者には、高額なシステム導入から始めるのではなく、まずは現場の作業を記録し、生成AIで整理するという、現実的で小さく始められるDXとして説明しました。
- DX相談会
DX相談会では、当社がITベンダーやコンサルタントではなく、自社工場で実際に手を動かしてきた「製造業のDXの先輩」として、来場者と意見交換を行いました。システム販売を目的とせず、失敗したこと、遠回りしたこと、うまくいったことを等身大で伝えることで、製造業の方々から具体的な悩みを伺うことができました。
特に多かったのは、「何から始めればよいか分からない」「要件定義と言われても整理できない」という声です。これに対し、まずは現場のヒアリングを録音し、文字起こしし、生成AIで業務課題を構造化する方法を紹介しました。DXの第一歩は、ツール導入ではなく、業務の見える化であることを改めて共有しました。
- Copper Stake 朱鷺(カッパーステイク トキ)
Copper Stake 朱鷺は、当社がBtoB中心のものづくりから、BtoC向け商品開発へ挑戦する象徴として参考展示したコンセプトモデルです。新潟県のトキをモチーフにした銅合金製のキャンプ用ペグで、純銅ではなく銅合金を使用することで、実用品として必要な硬さや質感を持たせています。
一方で、一般キャンパーからは「ペグは消耗品であり、高価格では使いづらい」という率直な声もいただきました。銅原価の高騰も踏まえると、通常の実用品として大量販売するよりも、名入れを施した記念品、贈答品、ふるさと納税返礼品、高級なお土産といった高付加価値商品としての展開が適しているのではないかと様々なご意見をいただきました。来場者からは、蚊取り線香立て、文鎮、ハンコ台など、重さや質感を活かした新たな用途アイデアも寄せられ、当社にとっても、今後の商品開発を検討する上で大変参考になるご意見となりました。
- 翻訳タブレット
翻訳タブレットは、台湾のスタートアップ企業であるVMFi(ブイエムファイ)社の協力により、共同出展として展示しました。33か国語に対応し、話した内容がほぼリアルタイムで字幕のように表示されるため、会話のテンポを崩さずに多言語対応ができる点が特徴です。
製造現場では、外国人技能実習生に対し、作業指示だけでなく「なぜその作業が必要か」「なぜ危険なのか」を母国語で伝えることが重要です。Mold-Xナレッジノートと組み合わせることで、現場教育や安全教育への活用が期待できます。また、観光、ホテル、行政窓口などでも有効なツールとして、多くの関心を集めました。一方で、今回の人の多い環境下では、通信の遅れや周囲の音を拾う課題も確認されました。今後は、VMFi社内でも今回の意見を開発担当者へフィードバックし、さらなる改善につなげていく予定です。
【来場者からの反応と今後の課題】
今回の展示では、製品そのものだけでなく、「なぜ当社がこの展示をしているのか」を説明することの重要性を改めて感じました。銅粉は海外連携と素材の将来性、水道部品は本業の技術力、DXナレッジは技能伝承、DX相談会は地域貢献、カッパーステイク朱鷺は新規事業、翻訳タブレットは多文化共生と現場の教育、特にコミュニケーションにつながっています。
来場者の反応からは、JCPの強みは単独の製品ではなく、本業である銅合金の製造、改善、DX、地域連携、海外連携をつなげて語れる点にあると確認できました。同時に、展示物ごとの説明時間が限られる中で、より分かりやすい導線や短時間で伝わる説明資料を整える必要性も見えました。今後に向けた課題と手応えの両方を得ることができ、大変有意義な展示会となりました。

■ 代表取締役 社長 山本 耕治 のコメント
ASPACにいがたEXPO出展は、人材交流、技術検証、製品開発、地域連携へつなげていくための貴重な機会となりました。
当社は、新潟・上越で培ってきた銅合金の技術と、自社で進めている製造業DXの知見を活かし、地域企業、大学、行政、金融機関、海外パートナー企業との連携をさらに深めてまいります。
特にDXについては、現場で働く人を中心に、改善活動とデジタル技術を組み合わせることで、製造現場の課題解決や技術伝承、生産性向上につなげていくことが重要だと考えています。今回の出展は、当社のDXの取り組みを社外へ発信していく良い機会であるとともに、そうした取り組みを地域や関係機関の皆さまと共有し、次の連携へ進むためのスタートであると捉えています。
また、先日、4機関による包括連携協定を発表しました。昨年、ASPACがモンゴルで開催されたことをきっかけに、今年は新潟での開催において、共同出展という形でSMP社の銅粉を展示いたしました。会場では海外の来場者からも関心を寄せていただき、銅素材や粉末技術を通じた国際的な技術交流の可能性を感じる機会となりました。
今後も、人を中心に、改善とデジタルの両輪で現場力を高めながら、地域産業の発展に貢献するとともに、日本・モンゴル双方の産業発展にもつながる取り組みを進めてまいります。
【会社概要】
■Jマテ.カッパープロダクツ株式会社
・設立:2005年4月1日
・本社所在地:新潟県上越市大潟区土底浜2024-1
・代表者名:代表取締役社長 山本 耕治
・URL:https://www.jcp.joemate.co.jp/
・事業内容:銅合金連続鋳造品・遠心鋳造品・押出品の製造加工販売、銅合金地金の製造販売、上水道配管部品、産業機械部品
【本件に関するお問い合わせ先】
Jマテ.カッパープロダクツ株式会社 広報担当
TEL:025-534-5151
E-mail:jcpnrcontact@joemate.co.jp