銅粉の粒径・粒度分布とは?
COPPER POWDER / GUIDE 03
D10・D50・D90を理解し、粒径の「代表値」だけでなく分布と測定条件を確認するための基礎ガイド。

銅粉の粒径・粒度分布とは?
1|粒径と粒度分布の違い
| 項目 | 意味 | 確認する理由 |
| 粒径 | 粒子の大きさ(単位:μm) | 粉末の細かさを把握する |
| 粒度分布 | 大小の粒子が、どの割合で含まれるか | 代表値だけでは分からない広がりを見る |
※ 1μm=0.001mm。粉末には大小さまざまな粒子が含まれるため、「25μm」という一つの値だけでは全体像は分かりません。
2|D10・D50・D90の意味 D=DIAMETER(直径)の意
| 指標 | 累積分布での位置 | 読み方 |
| D10 | 小さい側から累積10%となる粒径 | 微粉側の目安 |
| D50 | 小さい側から累積50%となる粒径 | 分布の中央値(平均値とは限らない) |
| D90 | 小さい側から累積90%となる粒径 | 粗粉側の目安 |
3|数値例で確認
例:D10=8μm / D50=25μm / D90=60μm
| 微粉側 | 中心 | 粗粉側 |
| D10:8μm | D50:25μm | D90:60μm |
D50が25μmでも、すべての粒子が25μmという意味ではありません。D10とD90を合わせて見ると、分布の広がりを把握できます。
4|分布の幅が重要な理由
同じD50でも、分布が狭い粉末と、微粉から粗粉まで幅広く含む粉末では、充填・焼結・表面状態・扱いやすさが異なる場合があります。
5|粒径帯と想定用途の目安
| 粒径帯(目安) | 用途例 | 選定時の留意点 |
| 100μm級 | 焼結部品・摩擦材 | 粒径だけで可否を決めない |
| 20~75μm級 | 焼結・溶射など | 粒度分布や粒子形状も確認 |
| 10μm以下 | ペースト・電子材料 | 純度・表面状態なども確認 |
| 1μm以下 | 高機能・研究用途 | 粉末仕様と工程条件を確認 |
※ 用途は元資料に示された代表例であり、粒径帯だけで使用可能性を保証するものではありません。
6|測定条件を揃えて比較する
| 確認項目 | 確認のポイント |
| 分布の基準 | 体積基準か、個数基準か |
| 測定方法 | メーカー間で測定方法が同じか |
| 分散条件 | 粉末の分散の仕方に違いがないか |
| 前処理 | 測定前の処理条件が揃っているか |
例えば「メーカーA:D50=25μm」「メーカーB:D50=27μm」でも、測定・分散条件が異なれば、2μmの差をそのまま比較できるとは限りません。
7|仕様確認のチェックリスト
| 確認順 | 営業・技術担当者が確認すること |
| ① 用途 | 何をつくり、どの工程で使用するか |
| ② 代表値 | 粒径とD50はいくつか |
| ③ 分布 | D10・D90と分布の幅はどうか |
| ④ 測定 | 分布の基準・測定方法・分散条件・前処理は何か |
| ⑤ その他仕様 | 製造方法・粒子形状・純度・酸素量・流動性はどうか |
まとめ|D50だけでは判断しない
粒径は銅粉の状態を知る入口です。D50で中心、D10・D90で分布の広がりを捉え、さらに測定条件と用途を組み合わせて評価することが大切です。