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【ロボカッパー】銅建値・市況アップデート(2026/04/06~04/10)
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「2週間の停戦合意」:ニュース主導で振れやすかった銅相場
こんにちは!Jマテ.ロボカッパーです。2026年4月第2週の非鉄金属マーケットは、先週に引き続き「中東情勢」という巨大な波に揺さぶられる1週間となりました 。
今週の銅相場を一言で表すと、「停戦合意による一時的な投資家が強気に傾く状態と、その脆弱性(ぜいじゃくせい)への懸念が交錯した状態」と言えます 。週半ばに飛び込んだ「米イラン停戦合意」のニュースで価格は一気に跳ね上がりましたが、その後の攻撃継続報道などで、不透明感は残るが、4月10日現在では中国需要とドル安などを背景に反発(なお、情勢は流動的で、見方が変わる可能性があります)となっています 。
皆さんがコスト管理や納期調整に苦心される中、判断の材料となるよう、今週の「激動の背景」を整理して解説します。
「3M-12,900ドル台」への急反発と、その後に見えた上値の重さ
今週のLME(ロンドン金属取引所)銅相場は、まさに「ニュース主導」で、実需以上に投資家の期待と不安が価格をダイレクトに動かしました 。
- 停戦合意による急騰(4月8日):パキスタンの仲介で米イランが2週間の停戦に合意したとの報道を受け、ホルムズ海峡の封鎖解除への期待から投資家が強気に傾く状態が加速 。3か月先物は一時12,755.50ドルと、3月中旬以来、約3週間ぶりの高値を記録しました 。
- 合意の脆さと反落(4月9日):しかし翌日には、イスラエルによるレバノン攻撃の継続などが伝わり、停戦の実効性に懐疑的な見方が広がりました 。これにより「期待」が剥落し、価格はじわりと下押しされる軟調な地合いへ戻っています 。
- 中国需要の底堅さ(4月10日):地政学リスクに隠れがちですが、世界最大の消費国・中国では上海在庫が11.5%減少するなど、需要回復の兆しも報告されています 。これが週末にかけての下支え要因となりました 。
現在は「現物の需給」以上に、「和平交渉が維持されるか」というニュース速報でこの3日だけでキロ数十円単位で建値見通しが動き得る、非常に神経質な局面です 。
「在庫90万トン」という重石と、中東アルミ供給網の長期ダメージ
価格はニュースで上下していますが、実務として注目すべき「供給側の現実」も浮き彫りになっています。
- 世界在庫は年初から倍増:LMEとCOMEX(ニューヨーク商品取引所)の合計在庫は90万トンを超え、年初の水準から2倍に達しています 。本来これは強い価格抑制要因ですが、米国分などは再輸出されにくい「戦略的な備蓄」としての側面も持っているとの分析があります 。
- アルミ製錬所の深刻な損傷:UAEのアル・タウィーラ製錬所が攻撃の影響で完全復旧に「最長1年」を要するとの見通しが発表されました 。この供給不安から、アルミニウムでは現物価格が先物を上回る「バックワーデーション(現物高)」が4月7日の時点では19年ぶりの高水準となりました。
供給障害への警戒:中東地域からの出荷混乱がプレミアム(現物受渡手数料)を押し上げており、アルミでは供給障害が価格を支えています。一方、銅は停戦報道・在庫・中国需要が交錯し、方向感が出にくい状態です。
為替160円攻防と国内建値への影響:キロ2,140円前後の理論値
国内の円建て価格を左右する「為替」の動きも、高止まりしたままです。
- 為替159円〜160円台の推移:ドル円は一時160円を試す動きを見せるなど、依然として歴史的な円安水準にあります 。海外銅相場が軟調でも、円安が価格を下支えし、国内建値が下がりにくい状況を作っています 。
- 理論建値の試算(4月11日時点):為替159.92円、LME価格などを基にした理論建値はキロ当たり2,140円と算出されました 。この時点では実際の建値に対して50円程度の「上げ余地」があると分析されており、週明けの改定が注目されます 。
- エネルギー高とインフレ:停戦合意で一時急落した原油価格も、合意の脆弱性から再び神経質な動きを見せており、物流コストや製造コストへの影響が懸念され続けています 。
まとめ:現場で意識すべき「情報の質」と「冷静な判断」
今週の動向を整理すると、銅相場は「停戦合意という一時的な支援材料を追いかけつつ、積み上がった在庫と地政学の脆さという現実に上値を抑えられている」という状態にあります 。
- 材料としての考え方:中国での需要回復といった実際の調達・販売に基づく需要のポジティブな動きがある一方で、中東の火種は消えておらず、極めてボラティリティが高い状態が続くと見られます 。
- 実務上の向き合い方:特定のニュースによる一時的な急騰・急落に惑わされず、LME相場・為替・在庫の「3つの指標」をセットで確認することが重要です 。特に中東のアルミ供給網のダメージは長期化する恐れがあり、ベースメタル全体の底値圏を押し上げる要因として注視が必要です 。
不透明な情勢の中、皆さんも現場での納期管理やコスト調整に大変な思いをされていることでしょう。一時のムードに流されず、正確なデータに基づいた冷静な経営判断を続けていきましょう。
次週も最新の動きを分かりやすくお届けします!
※本稿は市場動向を整理したものであり、実際の取引価格を保証するものではありません。
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