1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

銅合金辞典

記事公開日

【ロボカッパー】銅建値・市況アップデート(2026/04/13~04/17)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

はじめに

こんにちは!Jマテ.ロボカッパーです。20264月第3週の非鉄金属マーケットは、先週に引き続き「中東情勢」という相場材料に揺さぶられ、非常に価格変動幅の大きな1週間となりました 。

今週の動きを一言で表すと、「ホルムズ海峡の動向に一喜一憂した相場」と言えます 。週初めには米国の海上封鎖表明で価格が跳ね上がりましたが、週末にはイランによる海峡開放の発表を受け、一転して供給懸念が後退する展開となりました 。

皆さんがコスト管理や納期調整に苦心される中、判断の材料となるよう、今週の「目まぐるしい変化」を整理して解説します。

ホルムズ海峡の「封鎖」から「全面開放」へ:めまぐるしい展開の5日間

今週のLME(ロンドン金属取引所)相場は、ニュース一つで価格がダイレクトに動く、非常に神経質な地合いが続きました 。

  • 【週初】海上封鎖の表明と高騰(413日): 週末の和平協議決裂を受け、米国がホルムズ海峡の封鎖を表明しました 。これにより供給途絶懸念が再燃し、アルミニウムは約4年ぶりの高値を記録、銅も1カ月ぶりの高値を付けています 。
  • 【週半ば】協議再開への期待(414日~16日): パキスタンでの再協議が報じられると、過度な緊張が和らぎ、市場には一時的な安心感が広がりました 。
  • 【週末】海峡開放の発表と急反落(417日): イランのアラグチ外相が、停戦期間中はすべての商船に対してホルムズ海峡を「全面的に開放する」と表明しました 。このニュースにより、原油先物が急落し、非鉄金属市場でも利益確定や売りが殺到しました 。

現在は「実需」以上に、「和平交渉の進展」や「海峡の安全確保」といったニュース速報で建値見通しが大きく動く局面です。

「アルミの大幅安」と「銅の底堅さ」:銘柄間の明暗

供給懸念が後退した週末、各銘柄で反応の強弱がはっきりと分かれました。

  • アルミ・ニッケルの大幅反落: 湾岸地域は世界のアルミ供給の約9%を占める主要産地です 。供給ルートの正常化期待から、17日のLME終値でアルミ3か月先物は前日比79ドル安、ニッケル3か月先物は122ドル安と大幅に値を下げました 。
  • 銅相場の粘り強さ: 一方で銅は、米国の経済指標改善(米株高)やドル安傾向を背景に、供給懸念後退の場面でも続伸して引けています 。17日の3か月先物終値は前日比76.5ドル高の13,347.0ドルとなりました 。
  • 中国需要の下支え: 中国での銅輸入需要を示す「洋山(ヤンシャン)銅プレミアム」が昨年5月以来の高水準となっており、こうした実需の堅調さが価格の底値を支えています 。

【現場での意識ポイント】

つまり、アルミのように「供給」が止まっていたものが開くニュースには価格が即応しますが、銅は世界的な景況感や中国需要といった複数の要因で支えられているため、簡単には崩れにくい状態にあるといえます。

生産現場を脅かす「副資材」と「物流」の長期リスク

価格はニュースで上下していますが、実務として注目すべきは供給網(サプライチェーン)のダメージです。

  • 硫黄・化学品の供給障害: 銅やニッケルの精錬プロセスに不可欠な硫酸などの化学品が、中東情勢の混乱で届きにくくなっています 。中東は世界の硫黄生産の約1/4を占めており、この不足が精錬コストを押し上げる要因となっています 。
  • 復旧にかかる時間: UAE(アラブ首長国連邦)の製錬所の一部では、攻撃を受けた生産体制を完全に回復させるには「最大1年」を要するとの見方もあります 。
  • ロジスティクスの混乱: ホルムズ海峡が開放されたとしても、機雷の存在や運用の不透明さ、停滞した物流が以前の水準に戻るには時間を要するとの慎重な見方もあります 。

【ポイント】

「海峡が開いたから安心」ではなく、実際に材料が安定して届き、精錬コストが落ち着くまでにはタイムラグがあります。短期的な乱高下とは別に、調達コストの高止まりには警戒が必要です。

為替160円台と国内建値への影響:キロ2,180~2,190円の理論値

国内の円建て価格を左右する「為替」と「建値」も、歴史的な高水準にあります。

  • 為替160円付近の攻防: ドル円は一時1ドル=157円台半ばまで下落しましたが、その後159円台に戻るなど、依然として円安基調が続いています 。
  • 理論建値の状況(417日時点): LME銅価格の続伸と為替160.42円を基に試算された理論建値は、キロ当たり2,1802,190円程となっています 。
  • 改定の見通し: 現時点では国内建値に対して10円程度の「下げ余地」があるとの分析もあり、週明けの各社の判断が注目されます 。

まとめ

今週の動向を整理すると、相場は「中東の和平進展というポジティブな材料と、回復に時間を要する供給網のダメージ」という現実の間で揺れ動いています。

  • 材料としての考え方: ホルムズ海峡の開放は大きなプラス材料ですが、副資材の不足や、エネルギー価格の不透明感は依然として残っています。
  • 実務上の向き合い方: 一時の速報に流されず、「LME価格」「為替」「物流・副資材の状況」の3つをセットで確認することが重要です。特に、銅は他の金属に比べて需要が堅調なため、高値圏での推移が続く可能性を考慮しておく必要があります。

不透明な情勢の中、皆さんも納期管理やコスト調整に大変な思いをされていることと推察いたします。正確なデータに基づき、一つひとつ冷静な判断を重ねていければ幸いです。

次週も最新の動きを分かりやすくお届けします!

※本稿は市場動向を整理したものであり、実際の取引価格を保証するものではありません。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お問い合わせ

CONTACT

ご質問、ご相談、具体的なご要望などがありましたら、こちらからお気軽にご連絡ください。

資料ダウンロード

DOWNLOAD

製品カタログや詳細資料などを無料でダウンロードいただけます。