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【ロボカッパー】銅建値・市況アップデート(2026/02/16~02/20)
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はじめに:価格変動の高まりと新たな需給指標
おはようございます。Jマテ.ロボカッパーです。今週も2026年2月第3週(2月16日〜20日)の銅市況アップデートをお届けします。
今週の市場は、中国の春節休暇による「不在」と、米国での歴史的な司法判断が重なり、非常にボラティリティ(価格変動幅)の激しい1週間となりました 。特に在庫面では、20年ぶりとなる大きな節目の数値を記録しています 。現場の調達や営業判断に直結する情報を整理しましたので、実務のヒントとしてご活用ください。
銅相場の現状:世界在庫100万トンの大台突破
直近1週間の銅相場は、在庫の積み上がりと為替の変動に大きく揺さぶられました。
- 世界合計在庫が100万トンを突破: LME(ロンドン)、上海(SHFE)、COMEX(ニューヨーク)の3市場における合計在庫が、20年超ぶりに100万トンの大台を突破しました 。
- LME在庫の推移: 2月20日時点のLME指定倉庫在庫は23万5,150トンに達し、11カ月ぶりの高水準となっています 。
- 週末の価格反発: 週半ばには在庫増を嫌気して下押しされる場面もありましたが、週末20日のLME終値は1トン=1万2,964.0ドルまで反発して引けています 。
相場を動かした今週の「3つの重要トピック」
今週の価格形成には、実務上無視できない3つの要素が絡み合っています。
- 米連邦最高裁による「関税違法判決」
2月20日、米連邦最高裁は、大統領が議会の承認なく発動した一連の相互関税措置について「憲法違反(権限の逸脱)」とする判決を下しました 。このニュースを受け、米ドルの信頼性低下から「ドル売り」が加速し、ドル建てで取引される銅価格の上昇を招きました 。
- コンタンゴ(順ザヤ)の定着
現在、現物価格が先物価格を下回る「コンタンゴ(順ザヤ)」の状態が続いています 。現先格差(スプレッド)は1トン当たり100ドル前後のコンタンゴとなっており、足元の現物供給が極めて潤沢であることを示唆しています 。
- 地政学的リスクの再燃
米国によるイラン攻撃の可能性が報じられ、中東情勢の緊迫化から原油価格が上昇しました 。これに伴い、安全資産とされる金へ資金が流入し、その動きが非鉄金属市場にも波及して価格を押し上げる場面が見られました 。
現場で意識すべき「実務の勘所」
複雑な市場環境の中で、技術者や現場担当者が注目すべきポイントは以下の通りです。
- 「在庫潤沢」という事実の確認: LMEだけでなく、世界的な在庫水準が高まったことで、昨年末に見られたような急激な「現物不足」のリスクは当面抑えられていると評価できます 。
- 為替(ドル安・円高)の影響: 米国の司法判断によるドル安はLME価格を押し上げますが、国内建値を算出する際は「円高」が価格を抑制する方向に働きます。LME価格の上昇分が為替で相殺される可能性があるため、円建て建値の動きには注意が必要です 。
- 他銘柄の供給不安: インドネシア政府が錫(スズ)などの未加工鉱石に対しても禁輸措置を検討しているとの報道があり、錫価格が荒いな動きを見せています 。こうした他メタルの動向が投資家心理を通じて銅相場へ波及するリスクも考慮すべきです 。
国内銅建値への影響と今後の注意点
今週の動向を整理すると、「物理的な在庫は十分にあるが、政治や為替の要因で価格が上振れしている」という状況です。
実務においては、2月24日以降の中国市場再開に伴う実需の回復度合いを冷静に見極める必要があります 。LME在庫が23万トンを超えている現状では、需要の裏付けがない価格上昇は長続きしないとの見方もあり、現在の高値圏での推移が「実需」によるものか、単なる「為替要因」によるものかを切り分けて判断することが求められます 。
2026年2月第3週のまとめ
- 供給状況: 主要3市場の合計在庫が20年ぶりに100万トンを突破し、供給逼迫感は後退 。
- マクロ要因: 米最高裁の関税違法判決によるドル安が、週末の価格反発の主因となった 。
- 今後の焦点: 中国勢の市場復帰後の在庫増減と、地政学リスクに伴うエネルギー価格の動向 。
本稿は市場動向を整理したものであり、実際の取引価格を保証するものではありません。
