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【ロボカッパー】銅建値・市況アップデート(2026/02/23~02/27)
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2026年2月最終週の銅相場を整理する
こんにちは!Jマテ.ロボカッパーです。
皆さんが気になる土日にあった世界情勢の緊迫関連の影響は来週になりますが、今週まずはは2026年2月23日から27日にかけての銅相場の市況アップデートをお送りいたします。
2月最終週は米国の通商政策の急変や中国市場の連休明け、さらに歴史的な在庫水準の変動が重なり、非常に方向感の定まりにくい一週間となりました 。
皆さんや実務者の方向けに、この複雑な一週間の動きを技術的・経済的背景から整理して解説します。市場が「今、何を不安視し、どこに期待しているのか」を掴むための情報として、現場の調達や営業判断に直結する内容を整理しましたので、実務のヒントとしてご活用ください。
背景:米国の通商政策がもたらした不透明感
今週、市場を最も揺さぶったのは米国の関税政策を巡る法的な混乱でした 。
- 法的枠組みの転換: 米連邦最高裁判所は2026年2月20日、トランプ政権が「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づき実施してきた従来の関税措置を違憲とする判断を下しました 。
- 世界一律10%の新関税: これを受け、米政権は直ちに「1974年通商法122条」を根拠とする代替措置へ切り替え、2月24日から全世界一律10%の新関税を発動しました 。
- 不透明な先行きの懸念: この新関税は後日15%に引き上げられる方針が示されていますが、その具体的な時期や対象品目の詳細は依然として不透明です 。
つまり、関税政策が「振り出しに戻った」ような状態であり、これが製造コストの予見性を低下させ、企業の景況感や需要に影を落としているという側面が注目されています 。
需給特性:歴史的な高水準に達した銅在庫
銅価格の「おもし」となっているのが、世界的に積み上がっている在庫の存在です 。
- LME在庫の急増: LME(ロンドン金属取引所)の指定倉庫在庫は、2月26日時点で25万3,600トンに達しました 。
- 約1年ぶりの高水準: これは前年(2025年)3月以来の規模であり、2026年の年初来だけで70%以上も急増しています 。
- 世界総計100万トンの節目: LMEに加えて、上海(SHFE)とニューヨーク(COMEX)の3市場を合計した在庫量は、20年以上ぶりに100万トンを超えたとの報道もあります 。
これだけの在庫が市場に滞留していることは、物理的な供給不足が起きにくいことを意味し、価格の上昇を抑える「下押し圧力」として機能しています 。
市場動向:中国の需要回復と「プレミアム」の動き
在庫増というネガティブな材料がある一方で、世界最大の銅消費国である中国からはポジティブな兆候も報告されています 。
- 洋山銅プレミアムの急騰: 中国の銅輸入需要の強さを表す「洋山(ヤンシャン)銅プレミアム」は、春節(旧正月)連休前の1トン当たり33ドルから、連休明けの2月24日には53ドルへと大幅に上昇しました 。
- 現物需要の持ち直し: このプレミアムの上昇は、中国国内のユーザーが実際に現物を買い始めていることを示唆しており、市場では需要回復への期待感が強まっています 。
実務上の注意点:銅建値の算出と相関要素
実際の国内銅建値や現場での取引価格を検討する際、単なる「相場」以外の要素にも目を向ける必要があります。
- コンタンゴ(順ざや)への配慮: 現在、先物価格が現物価格を上回る「コンタンゴ」の状態にあり、現物終値が先物より安く引けるケースが見られます 。
- 理論建値と為替の影響: 2月最終週の国内理論建値は、為替相場(1ドル=154円〜157円台)の影響を受けつつ、キロ2,100円〜2,180円前後のレンジで推移していました 。
- 地政学リスクとの連動: 米国とイランの核開発協議を巡る緊張感が高まると、安全資産としての金価格が上昇し、その資金流入が銅やニッケル、白金族といった他の非鉄金属相場を押し上げるという現象も確認されています 。
まとめ
今週の銅相場を整理すると、「米国の関税混乱」と「過剰な在庫」というマイナス要因を、「中国の需要回復期待」が相殺しようとしているという構図が見えてきます 。
実務において意識すべきポイント:
- 政策の不確実性: 米国の新関税が15%へ引き上げられる時期などは現在では未定であり、突発的なニュースで相場が急変するリスクを抱えています 。
- 在庫の解消スピード: 積み上がった100万トンの在庫が、今後数週間のうちに実際に消費され(解消し)始めるかどうかが、価格の底堅さを判断する重要な指標となります 。
銅は多くの工業製品の基盤となる材料です。単日の価格変動に一喜一憂するのではなく、こうしたマクロな政策変更と実需(プレミアム)の推移をセットで追い続けることが、精度の高い判断に繋がります。
※本稿は市場動向を整理したものであり、実際の取引価格を保証するものではありません。
