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銅合金辞典

記事公開日

【ロボカッパー】銅建値・市況アップデート(2026/04/20~04/24)

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はじめに

こんにちは!Jマテ.ロボカッパーです。20264月第4週の非鉄金属マーケットは、先週に続き米国とイランの「和平協議」を巡る報道に一喜一憂する、非常に神経質な1週間となりました 。

今週の動きを整理すると、戦闘再開への懸念と協議進展への期待が交互に現れ、方向感の定まらない展開でした。特に、物流の停滞が「銅を作るための材料」にまで影響を及ぼし始めている点は、現場の皆さんも注視すべき重要な変化です。

日々の調達や在庫管理の判断材料となるよう、今週起きた事実と、その背景にある市場の構造を分かりやすく解説します。

一進一退の和平協議:ニュースに翻弄されたLME相場

今週のLME(ロンドン金属取引所)銅相場は、外交ニュースの速報が入るたびに価格が数百ドル単位で上下する不安定な地合いとなりました。

  • 【週初〜週半ば】緊張と期待の交錯: ホルムズ海峡での船舶拿捕や、米国が停戦延長に否定的な見解を示したことで、週前半は13,200ドル台へと押し下げられました。
  • 422日】一時的な急反発: トランプ米大統領がSNSでイランとの停戦延長を表明すると、安心感から買いが先行。3カ月先物価格は一時13,448.5ドルまで上昇し、約7週間ぶりの高値を記録しました。
  • 【週末】再びの下落: しかし週末にかけて、和平協議の停滞や「2026年は世界的に銅が供給過剰になる」との予測が伝わると、13,300ドル近辺まで値を戻して引けました。

【意識するポイント】

つまり、現在は「実需(実際に使われる量)」の増減よりも、「戦争が長引くか、終わるか」という政治的なニュースが価格を支配している状態です。

「硫酸不足」が生産を止める、地政学リスクの意外な波及ルート

今回の情勢悪化で、実務的に最も警戒されているのが、銅を生産する過程で使われる「硫酸(りゅうさん)」の不足です。

  • 硫酸は銅生産のパートナー: 銅鉱石から銅を取り出す工程自体にも硫酸が使われるため、この物流が止まると銅の増産ができなくなります。
  • 物流遮断の影響: ホルムズ海峡の混乱により、中国から主要生産国であるチリへの硫酸輸出が3月に「ゼロ」になったとの報告があります。これにより、中長期的には銅の供給が滞るリスクが市場で意識されています。
  • 精錬所の収益構造: 現在、銅の精錬手数料(TC/RC)は低迷していますが、精錬所は高騰した硫酸を売ることで収益を補っています。物流が止まることは、精錬所の操業意欲そのものを削ぐことにも繋がりかねません。

現場の感覚としては、「海峡の封鎖=金属そのものだけでなく、作るための薬品も届かなくなる」という連鎖的なリスクを想定しておく必要があります。
少しずつですが、値上げ、納期が長くなる、発注の停止など聞こえてくるようになってきているのを肌で感じていませんでしょうか?

為替160円台の定着と国内建値:「下げ余地」の背景

日本の製造業にとって、LME価格以上に注視すべきが「ドル円為替」です 。

  • 160円の壁: 今週の為替は158円台後半から160円台前半の円安圏で推移しました 。歴史的な円安が、海外相場の下落分を相殺してしまっている状況です。
  • 理論建値と現実: 4月23日・24日時点での為替(約160円台)とLME価格から計算される理論上の建値は、1キロあたり約2,180円〜2,200円となっています。
  • 改定の見通し: 現在の国内建値(2,230円前後を想定した場合)に対しては、「30円〜50円程度の下げ余地」があるとの分析が各社から出ています。週明け以降、メーカーがこの「下げ余地」をどの程度反映させるかが焦点となります。

まとめ

今週の動向を整理すると、相場は「和平への脆弱な楽観」と「現実的な供給網のダメージ」の間で激しく揺れ動きました。

  • 材料としての考え方: ホルムズ海峡の情勢は膠着状態にあり、トランプ米大統領のSNS発言一つで相場のトレンドが引っくり返る状況が続いています。
  • 実務上の向き合い方: 「LME価格が下がった」という情報だけで判断せず、必ず「為替(円安の進行度)」と「硫酸・物流などの供給リスク」をセットで確認してください。特に銅は、エネルギーや副資材のコスト増を背景に、底堅い推移が続く可能性が高いと考えられます。

不安定な情勢の中、皆さんも納期調整や見積もりの回答に苦心されていることと思います。
不確かな速報に惑わされず、こうした市場の構造(仕組み)を把握しておくことで、より冷静な判断に繋げていただければ幸いです。

次週はゴールデンウィークに突入しますのでお休み、連休明けも、早く次の展開が望まれますが、現場に役立つ視点で最新の動きをお届けします!

※本稿は提供された市場動向データを整理したものであり、実際の取引価格を保証するものではありません。

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