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【ロボカッパー】銅建値・市況アップデート(2026/05/04~05/08)
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はじめに
こんにちは!Jマテ.ロボカッパーです。2026年5月第2週の非鉄金属マーケット状況をお届けします。
第2週の市場は、ゴールデンウィークの連休明けというタイミングに加え、中東情勢の緊迫と和平への期待、さらには歴史的な円安水準に対する為替介入の観測が重なった1週間となりました 。
現場の皆さんが調達や在庫管理の判断をスムーズに行える関連する内容と、その背景にある市場の仕組みを分かりやすく整理しました。
期待と警戒の狭間で動くLME相場:和平協議の行方
第2週のLME(ロンドン金属取引所)銅相場は、地政学リスクとマクロ経済指標の間で揺れ動く展開でした。
- 週初の安値と回復: 週初には、一時3週間ぶりの安値となる1トンあたり12,780ドルを付けましたが、その後は安値拾いの買いや和平交渉への期待感から13,000ドル台を回復しました 。
- 交渉進展のニュース: 米国とイランの間で戦闘終結に向けた覚書の合意が近いとの報道が入ると、リスクの動きが強まり、銅相場は一時13,462ドルの高値を記録しました 。
- 下支えする要因: 中国の4月サービス部門PMIが上昇するなど需要の見通しが底堅いことや、送電網への継続的な投資、スクラップ供給の不足が価格の下支え要因として報告されています 。
ポイント: 現在は「実際の消費量」以上に、中東紛争が「終わるか、長引くか」という政治的なニュースに価格が左右されやすい状態が続いています 。
為替介入と国内建値:160円の攻防がもたらす「理論値」との乖離
日本の製造業にとって、LME価格以上に日々の計算を複雑にしているのが為替の動きです。
- 為替介入の影: ドル円相場が「防衛ライン」とされる160円を突破した際、日本政府・日銀による為替介入が行われたとの観測が広がりました 。これにより、一時的に155円~156円台まで円高が進む場面がありました 。
- 建値への影響: 円高方向への急激な変動は、円建てで算出される国内建値を押し下げる要因となります。LME価格が上昇していても、計算上の「理論建値」は現行の建値より低くなる(下げ余地が出る)という現象が発生しました 。
ポイント: 実際に5月7日時点では、4月末から50円引き下げの2180円の発表となりました。「海外相場が上がったから国内価格も上がる」と単純に判断せず、介入によって為替が円高に振れていないかをセットで見る必要があります。
現場で役立つ実務知識:銅合金・スクラップへの波及
黄銅や青銅などを扱う現場において、今回の相場動向は以下のような形で影響を及ぼしています。
- スクラップ流通の停滞: 中国でのスクラップ供給不足が伝えられており、これが回り回って精製銅の需要を押し上げています 。国内でも原料となるスクラップの確保が難しくなる可能性を意識しておく必要があります 。
- 物流プレミアムの上昇: ホルムズ海峡の混乱は、物理的な「地金の価格」だけでなく、船積みの遅延や運賃・保険料(プレミアム)の増大を招いています 。
- 実務上の不透明感: 供給障害による逼迫懸念が強まる一方で、和平合意への期待から価格が急落するリスクも混在しています。現物価格(現物プレミアム)が先物に対して高い状態(バックワーデーション)が続いている銘柄(アルミ)もあり、足元の需給は依然としてタイトな状況が続いている見方があります 。
まとめ
第2週の動向を振り返ると、銅相場は「中東和平への期待」という脆弱な楽観と、「物流・供給網への実質的な影響」の間で激しく揺れ動きました。
銅は世界経済のバロメーターです。その価格は、純粋な需給だけでなく、為替政策やエネルギーコスト、さらには地政学的な駆け引きといった複雑な要素の積み重ねで決まります。
最注目ポイント:米中首脳会談と銅合金への影響
今週、マーケットが最も注視しているのは、トランプ米大統領の訪中とそれに伴う米中首脳会談です 。これは銅合金に関わる実務においても、決して他人事ではありません。
- 関税政策と供給網の再編
- 先端産業の需要見通し
- 外交的な解決への期待
特に外交に対する中東情勢の安定化に向けた両国の働きかけは、原油安やインフレ懸念の後退を通じて、銅相場の過熱感に影響を及ぼす可能性もあります 。
不確かな速報に惑わされず、こうした「価格が決まる仕組み」と「国家間の大きな動き」を把握しておくことで、皆さんの冷静な判断に繋げていただければ幸いです。
次週以降も、現場の皆さんの役に立つ最新の動きをお届けします!
※本稿は提供された市場動向データを整理したものであり、実際の取引価格を保証するものではありません。
