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銅合金辞典

記事公開日

【ロボカッパー】銅建値・市況アップデート(2026/02/09~02/13)

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LME在庫20万トン到達と実需の停滞:調整局面における市場指数の分析

おはようございます。Jマテ.ロボカッパーです。今週も20262月第2週の銅市況アップデートとして、現場の調達・営業の視点からポイントを絞ったメルマガを作成しました。日々の業務や材料判断のヒントにして頂ければ幸いです。

はじめに:史上最高値からの価格調整

2026年129日に記録した1トン=14,527.50ドルという史上最高値から約2週間 。現在の銅相場は、急騰を見せた前月とは対照的に、13,000ドル前後を中心とした一定の範囲内での変動へ移行しています 。

現在は「国際価格の高止まり」と「物理的な現物供給の緩和」が同時に進行している局面です 。この動きを裏付ける事実を確認していきます。

銅相場の現状:在庫増加と価格のレンジ推移

直近1週間の銅価格は、上昇の勢いが減衰し、レンジ内での推移に終始しました。

  • LME在庫が20万トンを突破: 2月13日時点でLME指定倉庫の在庫は203,875トンに達しました 。これは20255月以来、約9カ月ぶりの高水準です 。
  • 中国市場の停滞: 15日からの春節(旧正月)を控え、経済活動が減速しています 。春節前の在庫補充が一巡したことで、スポット購入が縮小しています 。
  • 価格推移: 13,000ドルを挟んだ一進一退の結果、週末13日の終値は12,881ドルとなりました 。

銅相場を動かしている2026年第2週の「3つの要素」

現在の価格推移と在庫増加の背景には、実務上注視すべき3つの要因があります。

  1. 洋山銅プレミアムの低迷

中国の輸入意欲を反映する洋山(ヤンシャン)銅プレミアムは、1トン当たり37ドル前後で推移しています 。これは需要の強さを示すには不十分な低水準であり、現在の価格が実需ではなく投機やマクロ要因に支えられている側面を示唆しています 。

  1. コンタンゴ(順ザヤ)の拡大

現在、現物価格が先物価格を下回る「コンタンゴ(順ザヤ)」の状態にあります 。現物と先物の価格差は1トン当たり105ドル前後まで拡大しており、これは市場参加者が「将来的に在庫が余る」と予想していることを反映した数値です 。3. 米国マクロ経済指標による変動

  • 雇用統計: 1月の非農業部門雇用者数が13万人増と予想の7万人を大幅に上回りました 。これにより利下げ期待が後退し、ドル高が進行したことが価格の圧迫要因となりました 。
  • 消費者物価指数: 一方で1月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%と予想の2.5%を下回り、インフレ鈍化の兆しから価格を下支えする場面も見られました 。

現場で注視すべき「市場分析のポイント」

乱高下する相場を判断するために、意識すべき実務指標は以下の通りです。

  • 「在庫増」と「現物確保」の整合性: LMEだけでなく上海(SHFE)在庫も24万トン超と、20253月以来の高水準へ急増しています 。昨年末までの「現物不足」の懸念は解消されつつあり、「価格は高水準だが、現物の手当ては比較的容易」な状況へ変化しています 。
  • 国内価格(建値)と理論値のズレ: 国内の販売基準価格は、海外相場と為替(1ドル=153円〜157円台)の影響を強く受けます 。国内価格(建値)の発表は、前日のLMEセツルメントを基準に計算される為、現在の市場価格と為替から算出した理論上の水準には値差が生じることがあります。特に価格の変動が大きい、昨今に至っては、現在の理論値と国内価格の値差が50円以上開くことも珍しくありません。今後の価格改定には注意が必要です。。
  • 他メタルのニュースによる波及: インドネシアのニッケル生産枠削減 や、米国のアルミ関税引き下げ検討 といった他銘柄の急変が投資家心理に影響し、銅相場にも予測困難な価格の乱高下をもたらすリスクがあります 。

国内の銅建値と実務への影響

みなさんにとって、現在は「LME在庫の20万トン到達」が需給バランスの変化を示す重要なシグナルとなります 。在庫増が可視化されたことで、投機的な買いの裏側にある「実需の脆弱さ」が数値として示されました 。

現場判断としては、春節明けの中国市場の再開(2月下旬以降)における需要の回復度合いを、在庫統計の増減とともに冷静に見極める時期にあります。

2026年第2週のまとめ

  • 「投資」と「実需」のズレ: 需要拡大への期待は継続していますが 、足元の在庫は積み上がっており 、期待先行による価格変動に注意が必要です。
  • 「在庫」と「為替」の相関: 価格の判断には、ロンドン価格だけでなく、為替(ドル円)の推移と、各取引所(LME・上海・COMEX)の在庫状況の監視が不可欠です 。
  • 取引参加者の減少に警戒: 中国が連休に入る時期は市場の動きが細くなるため、わずかなニュースでも価格が急変しやすくなります 。

 本稿は市場動向を整理したものであり、実際の取引価格を保証するものではありません。

あわせて読みたい参考記事:
銅建値はどう決まる?3 ― 「歴史的な相場の転換点」から学ぶ相場観の養い方 ― | 銅合金辞典



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