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【ロボカッパー】銅建値・市況アップデート(2026/01/31~2026/02/06)
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はじめに:高値圏での記録的な乱高下、価格変動への警戒続く
おはようございます。Jマテ.ロボカッパーです。今週も2026年2月第1週の銅市況アップデートとして、現場の調達・営業の視点からポイントを絞ったメルマガを作成しました。日々の業務や材料判断のヒントにして頂ければ幸いです。
2026年2月第1週の銅相場は、歴史的な高値を記録した直後の「調整」と、それを支えようとする「ニュース」が激しくぶつかり合う、極めて価格変動の激しい1週間となりました 。 先月末に史上最高値を更新した勢いは、週明けとともに急速な利益確定売りに押されましたが、その後は中国の動向や米国の経済指標を受けて一進一退の展開が続いています 。実務において、この不安定な動きの正体を見極めることは、適切な調達・在庫判断において欠かせません。
銅相場の史上最高値からの調整と、底堅さの記録
この1週間、銅価格は高値圏での激しい攻防を繰り広げました。
- 史上最高値の更新と急落: 1月29日にLME銅相場は一時 1トン = 1万4527.50ドルという過去最高値を記録しました 。しかし、2月初頭には投機筋の利益確定売りが強まり、一時 1万2414.50ドルまで急速に調整する場面がありました 。
- 週後半の粘り: その後、中国の備蓄増強報道や投資家のリスク選好姿勢の復活を背景に 1万3000ドル台を回復するなど、下値での買い意欲も確認されています 。
わずか数日の間に1,000ドル以上の幅で価格が上下しており、現場でのコスト計算を非常に難しくなっています。
銅相場を動かしている「3つの要素」
今回の激しい相場変動の背景には、現場で注視すべき3つの要素が複雑に絡み合っています。
- 中国の「戦略銅備蓄」計画の浮上 中国の非鉄金属工業協会が戦略的な銅備蓄を積み増す方針を示したとの報道が、相場を大きく支えました 。ただし、実需筋からは「長期的な方針であり、即座の現物買いを期待しすぎるのは早い」との慎重な見方も示されています 。
- 在庫の増加と現物需給の緩和 LME指定倉庫の在庫は 18万トンを超え、2025年5月以来約9カ月ぶりの高水準に達しています 。上海の在庫も春節前の積み増しで増加しており、投機的な買いの裏で「現物不足は起きてはいない」との指摘も目立ちます 。
- 米国の金融・地政学的リスク 次期FRB議長候補へのウォーシュ氏指名に伴うドル高進行や 、中東イラン情勢の緊迫化と緩和、さらには米中首脳の電話会談など、マクロ経済と政治の動きが投資家心理を常に揺さぶっています 。
現場で注視すべき「市場分析のポイント」
乱高下する相場を読み解くために、現場で意識すべき指標について以下の3点です。
- 「コンタンゴ」が示す需給の緩み 現在、現物価格が先物価格を下回る「コンタンゴ(順ザヤ)」の状態にあります 。格差(スプレッド)は 1トン当たり 60〜80ドル前後で推移しており、短期的には現物が手に入りやすい状況であることを示唆しています 。
- 為替(ドル円)の円安による底支え 海外相場が調整局面にあっても、為替が 1ドル = 155円〜157円台という円安水準で推移しているため、国内建値の上昇圧力を維持、あるいは下落幅を相殺する要因となっています 。
- 中国・春節(旧正月)前の流動性低下 2月15日からの春節連休を控え、アジア圏の実需筋が高値を嫌気して買いを控える傾向があります 。連休前のポジション整理による突発的な価格変動への警戒が必要です 。
国内の銅建値と実務への影響
日本の実務者にとって、国内建値は「LME価格」と「為替」の相関で決まります。たとえ海外価格が調整しても、国内で「円安」が続けば建値は高止まりしやすく 、逆に「円高」が進めば理論上の価格に強い下げ余地が生じます 。 今回の局面では、LME在庫の顕著な増加が記録されており 、現場感覚として「価格は高水準だが、現物のモノ自体は確保しやすい」という、昨年末までの逼迫感とは異なるフェーズに入っていると言えます 。
週末の反発を招いた要因
週末6日に相場が 1万3000ドル台を回復したのは、米国の消費者マインドが半年ぶりの高水準に上昇したことや、ハイテク株の反発による投資家心理の改善が寄与しました 。ただし、CMEグループによるマージン(証拠金)要件の再度の引き上げなど、投資資金の動きを抑制する要因も依然として存在しています 。
まとめ
今回の歴史的な変動から、私たちが注意すべき点です。
- 銅は「投資資産」と「実需」の二面性が強まっている: AIインフラ需要への期待が強い一方で、実際の現物在庫は積み上がっており、期待先行の価格変動に注意が必要です 。
- 「為替」と「在庫」をセットで見る: 建値判断においては、LME価格の数字だけでなく、ドル円の動きと、LME・上海の倉庫在庫の増減を注視することが不意の価格変動への備えになります 。
- 春節前の不安定な動きに備える: 流動性が低下する連休前後は、ニュース一つで価格が跳ねやすい時期です。冷静に「足元の事実」を観察しましょう 。
銅は電線、電子部品、黄銅、青銅といった合金の主役であり、私たちの産業に不可欠です。価格が投資マネーや外部ニュースの影響を強く受けやすい時期だからこそ、事実に基づいた冷静な見極めを続けていきましょう。
本稿は市場動向を整理したものであり、実際の取引価格を保証するものではありません。
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