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【ロボカッパー】銅建値・市況アップデート(2026/01/26~2026/01/30)
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2026年1月最終週、銅相場が記録した「1万4000ドル」と実務で知っておくべき内容
おはようございます。Jマテ.ロボカッパーです。今週も2026年1月最終週の銅市況アップデートとして、現場の調達・営業の視点からポイントを絞ったメルマガを作成しました。日々の業務や材料判断のヒントにして頂ければ幸いです。
はじめに:歴史に残るかつてなく荒れた1週間
2026年1月最終週、世界の非鉄金属市場、特に「銅」において、歴史に残る極めて激しい値動きが記録されました 。ロンドン金属取引所(LME)の銅相場は、週明けから勢いよく上昇し、一時は 1 トン = 14,000 ドルという大台を軽々と突破しました 。
しかし、その直後に相場は一転、週末にかけて急落するという「乱高下」の展開となりました 。日々の業務で銅合金材料やスクラップを扱う皆様にとって、この変動がなぜ起きたのか、そして国内の建値(国内販売基準価格)にどう影響するのかを知ることは、調達・営業判断において非常に重要です。
銅相場の史上最高値更新と、急反落の記録
この1週間、銅の価格はかつてない激しさで動きました。
- 1月29日:史上最高値の更新 LMEの銅3カ月物は、この日一時 1 トン = 14,527.50 ドルという史上最高値を記録しました 。わずか1日で 10% を超える急騰を見せ、市場には強気な勢いが広がりました 。
- 1月30日:週末の急反落 最高値を付けた翌日、相場は一転して利益確定の売りに押されました 。週末30日の午後には、 1 トン = 13,161 ドル付近まで一気に下落しています 。
わずか数日の間に 1,000 ドル以上の幅で価格が上下したことになり、これは材料コストの計算や在庫評価を困難にするほどの大きな変動でした 。
なぜ銅相場は「急騰」したのか?背景にある3つの要因
今回の急騰は、「実需」「供給」「マクロ経済」という3つの視点が複雑に絡み合って起きたと分析されています 。
- ① 中長期的な需要:AIと電力インフラへの期待 現在、世界的に人工知能(AI)を支えるデータセンターの建設が急拡大しています 。データセンターには大量の送電用「銅」が不可欠であり、この需要予測が価格を押し上げる原動力となりました 。また、ロボット工学や老朽化した電力網の拡充に対する投資拡大予測も、将来的な銅不足への懸念を強めています 。
- ② 供給側の制約:主要鉱山のトラブルと生産遅延 一方で、供給側では生産現場でのトラブルが相次ぎました。世界最大の生産国チリにおいて、事故やストライキが発生し、供給が途絶えることへの警戒感が高まりました 。特に主要な銅山でのストライキ継続や、鉱石グレード(品質)の低下による生産目標の未達などが市場で強く意識されました 。
- ③ 通貨から「モノ」への資金逃避 マクロ経済的な資金の動きも無視できません。通貨(米ドル)の価値下落が懸念される中で、インフレに強く価値が目減りしにくい「実物資産(金や銅などの金属)」に資金を移す動きが活発化しました 。これは「通貨価値下落に伴う取引(デベースメント取引)」とも呼ばれ、安全資産としての金が最高値を更新する流れに乗る形で、銅にも膨大な投資資金が流れ込んだと見られています 。
現場で注視すべき「市場分析のポイント」
乱高下した相場を読み解くために、現場で意識すべき指標について以下の3点です。
- 「銅の需給」と現場感覚の乖離 将来の需要が期待される一方で、実際の「現物需要」が伴っているかの確認が必要です。例えば、中国の輸入需要を示す「洋山(ヤンシャン)銅プレミアム」が記録的な低水準(1トン当たり 20 ~ 27 ドル)にある場合、市場価格と現場需要に乖離が生じており、急落のリスクを孕んでいる可能性があります 。
- 為替と「理論値」のバランス 国内建値は、LME価格だけでなく為替(ドル円)の動きに左右されます。海外相場が高騰しても、国内で円高が進んでいる場合は、理論上の価格よりも国内価格に「下げ余地」が生じることがあります 。市場の実勢価格から算出される理論値と実際の建値を比較し、冷静に見極めることが重要です。
- 「資金の動き」を表す先行指標 LME指定倉庫での「キャンセルワラント(出庫予約)」の大幅な発生は、将来の在庫減少を予感させ、投機的な買いを誘発する先行指標となることがあります 。価格の上下だけでなく、こうした倉庫在庫の動向に目を向けることで、相場の勢いを掴むことが可能になります。
国内の銅建値と実務への影響
日本の実務者にとって、国内建値は「LME価格」と「為替」の2要素で決まります。たとえ海外価格が上がっても、国内で「円高」が進めば上昇は抑えられ 、逆に「円安」が重なれば建値は爆発的に上昇します。
今回の高騰局面では、洋山プレミアムが極めて低かったことから、価格だけが独走する「バブル状態」の兆候が出ていました 。これは、現場感覚として「価格は高いがモノは動いていない」という警戒があったと言えます。
週末の急落を招いた要因「米次期FRB議長指名」
1月30日、急騰の流れを止めたのは米政権による次期FRB議長にケビン・ウォーシュ氏を指名するとの発表でした 。ウォーシュ氏は物価安定を重視する「タカ派」と目されており、この指名を受けて為替市場ではドル高が急進行しました 。これによりドル建ての金属に割高感が生じ、利益確定売りが殺到しました 。
銀については、1日の下落率としては1982年以来の最大規模になる見通しと報じられるほど、激しい調整を記録しています 。
まとめ
今回の歴史的な変動から、私たちが注意すべき点です。
- 銅は「戦略物資」かつ「投資対象」である: AIインフラに不可欠な素材であると同時に、通貨の代替資産としての側面が強まっています。
- 「為替」と「在庫」をセットで見る: LME価格だけでなく、ドル円の動きと倉庫在庫の増減を注視することが、不意の価格変動への備えになります。
- 実需との乖離に注意: 洋山プレミアムなどの指標が低い中での価格独走は、急落のリスクを常に孕んでいることを念頭に置く必要があります。
銅は電線、電子部品、黄銅、青銅といった合金の主役であり、私たちの産業に不可欠です。価格が投資マネーの影響を受けやすい時期だからこそ、ニュースの背景にある事実を冷静に見極めていきましょう。
本稿は市場動向を整理したものであり、実際の取引価格を保証するものではありません。
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