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【ロボカッパー】銅建値・市況アップデート(2026/01/19~2026/01/23)
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地政学リスクの軟着陸と在庫急増:2026年1月第4週、銅相場の「コンタンゴ転換」から読み解く実需の停滞と建値の行方
おはようございます。Jマテ.ロボカッパーです。今週も2026年第4週の銅市況アップデートとして、現場の調達・営業の視点からポイントを絞ったメルマガを作成しました。日々の業務や材料判断のヒントにして頂ければ幸いです。
先週の「史上最高値からの急落」という激動を経て、2026年1月第4週の銅相場は、新たな地政学リスクと需給構造の変化に直面しました 。今週は特に、政治ニュースがいかに価格を動かすか、そして「在庫」という目に見える指標が何を語っているのかを整理して解説します。
相場の底打ちと「理論建値」の推移
今週の国内銅建値(電気銅の販売指標価格)は、為替の乱高下とLME(ロンドン金属取引所)価格の反発に振り回される展開となりました。 週後半の1月23日時点では、LME銅相場が1トンあたり 13,115 ドルまで急反発 。これに1/23時点からの相場変動、円高へのシフト(1ドル= 154 円前後)が加わったことで、国内の理論建値はキロあたり2120 円前後で据え置かれています 。 前日までは建値の下げ余地が意識されていましたが、週末にかけて一転して「上げ余地」が生じて、さらに為替の影響でまた下げ方向に移行となっており、為替と相場のセットでの動きが非常に速くなっています 。
グリーンランド情勢が揺さぶった市場心理
今週、現場で最も注目された外部要因は、米国大統領による「グリーンランド領有」を巡る発言でした 。 米国が反対する欧州諸国へ関税を課すと示唆したことで、市場には再び「リスクオフ(回避)」のムードが広がり、安全資産である金は一時1オンス= 4,900 ドル台を突破する史上最高値を更新しました 。 その後、大統領が武力行使を否定し関税を撤回したことで、市場には安堵感が広がり、市場の一部では政治イベントを受けた買い戻しが再来しました 。実需以外の政治的な駆け引きが、価格を大きく上下させる要因となっています 。
「在庫急増」と「コンタンゴ」への転換が意味するもの
相場の先行きを読み解く上で、今週最も重要な変化が「現物需給の緩和」です。
- 在庫の積み上がり: 米国COMEX指定倉庫の銅在庫が 55 万トンを超え、史上最高レベルに達しました 。LME指定倉庫でもマレーシアなどで大量の入庫が記録され、世界の総在庫は 100 万トン弱まで増加しています 。
- コンタンゴ(順鞘)への転換: 先週まで続いていた「現物高(バックワーデーション)」が解消され、期先価格の方が高い「コンタンゴ」の状態に転じました 。 これは、現場感覚として「今すぐ現物を確保しなければならない」という切迫感が薄れ、市場に十分な在庫が行き渡り始めていることを意味します 。
銅建値はどう決まる?2 銅相場を「読み」、リスクを「慣らす」〜地金変動に振り回されないための実務・応用編〜 | 銅合金辞典
世界最大の消費国・中国の実需はどう動いたか?
価格高騰による「需要破壊」の影響が、中国市場で鮮明になっています 。 中国へ輸入する際の現物上乗せ金である「洋山(ヤンシャン)銅プレミアム」は、1トンあたり 22 〜 26 ドルと、2024年半ば以来の低水準まで落ち込んでいます 。 中国国内の精錬銅生産量は過去最高を更新している一方で、高値による買い控えが続いており、供給過剰感から中国の買い手の意欲が低下していることが分かります 。
まとめ:現場で意識すべきリスク管理
今週の動向から学ぶ、材料調達と営業のポイントは以下の通りです。
- 相関性: 為替が1円動くだけで国内価格は大きく変動するため、LME価格だけでなくドル円の動きをセットで監視すること 。
- 注意点: 在庫が急増しコンタンゴに転じている局面では、価格の急騰よりも、高値圏での「需要の冷え込み」による反落リスクを警戒すべき時期と言えます 。
銅はインフラや先端技術に欠かせない元素ですが、今回のように政治情勢や在庫水準によって、実需とは別の論理で価格が動くことが多々あります。現場の作業においても、こうした市場の「裏側の数字」を意識することで、より冷静な判断が可能になります。
本稿は市場動向を整理したものであり、実際の取引価格を保証するものではありません。

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