記事公開日
【連載:VTO16搬出の記録】第1部:53年間にわたる稼働への感謝と「清祓(きよはらい)の儀」

はじめに
Jマテ.ロボカッパーです。普段の銅合金辞典から趣向を変えて今回は初の連載企画です。役目を終えた昭和の加工機。ものづくり企業である当社の利益の源泉である加工工程。その裏側に迫ります。
工作機械を長年大切に使い続けることは、当社のものづくりの基盤です。
半世紀以上にわたって生産現場を支え、数多くの製品を世に送り出してきた設備は、私たちにとって単なる生産用具以上の、深く歴史を共にした存在と言えます。
この度、Jマテ.カッパープロダクツ産機工場において、昭和48年の導入以来、53年間にわたり稼働し続けた縦旋盤(ターニング)「VTO16」が、その役割を終えて搬出されることになりました。私たちは、この長年稼働した設備に対し、最後の手続きとして儀式を執り行いました。
清祓(きよはらい)を執り行う理由

清祓の様子 左の緑色の作業服は当時の山本産業の作業服
設備の搬出に際して神事を行うのは、当社の安全と感謝の慣習に基づくものです。
長年大きな事故もなく、無事に稼働し続けてくれた設備への謝意を表すことは、製造業に携わる者として重要な節目であると考えて工場長が発案しました。
- 感謝: 50年以上にわたり、当社の加工技術を支え続けてくれたことへの謝意。
- 敬意: 山本産業時代から続く当社の成長に寄与し、多くの技能士を育成した実績への評価。
- 安全祈願: 搬出作業における安全の確保、および設備撤去後の工場の安全を願う節目。
搬出前日となる2月20日(金)、当工場の商売繁盛と安全を長年見守っていただいている圓田神社(えんたじんじゃ)の宮司をお招きし、清祓の儀を執り行いました。
圓田神社 - 挑戦する人、起業する人に、女性の開運活躍、躍進出世に、御利益がある神社です。
オーエム製作所製 汎用立旋盤「VTO-16」(生成AIより引用)
当時の資料が残っていない為、生成AIによる引用となりますことご容赦ください
オーエム製作所(O-M Ltd.)が1960年代から1970年代にかけて市場を席巻したVTOシリーズは、現在主流のNC機の前身となる、手動・汎用立旋盤の完成形と言えるモデルです。
- 世代的変遷とVTO16の立ち位置
1973年(昭和48年)は、日本における工作機械の「NC化」の黎明期ですが、本機は完全汎用機としての最高峰に位置します。
- VTOシリーズ(汎用機): 本機。ハンドル、レバー、磁気クラッチによる手動操作。
- VTNCシリーズ(初期NC機): 1970年代後半〜。VTOの構造をベースにサーボモーターと初期のNC装置(FANUC 200/300シリーズ等)を搭載。
- VNC / VTCシリーズ(現代機): 1980年代後半〜。ATC(自動工具交換装置)を搭載し、完全自動化されたマシニングセンタ機能を有するモデル。
NC機では困難な「現物合わせの修正加工」や「段取りの柔軟性」において、汎用機としてのVTO16が代替不能な性能を持っていたことを示しています。
※シリーズ名、当時の内容は生成AIより引用
儀式の詳細と当日の流れ

オーエム製作所製 汎用立旋盤「VTO-16」
当日は工場の関係者15名が参列し、以下の次第に則って30分程度、厳かに進行いたしました。
- 日時:2月20日(金) 16時 開始
- 修祓(しゅばつ): 参列者とVTO16本体を、大麻(おおぬさ)でお清め。
- 祝詞奏上(のりとそうじょう): 設備の長年の稼働への感謝を伝え、作業の安全を祈願しました。
- 清祓(きよはらい): 設備の四方を清め、長年の働きに対し、礼を尽くす時間となりました。
- 玉串奉奠(たまぐしほうてん): 参列者を代表して工場長と加工部課長が拝礼しました。
ちなみに、かつて職人たちが年末の大掃除の際、自らの担当機に御神酒を供えていた慣習に倣い、以下のものを用意いたしました。
- お米(一合程度)
- お塩(一合程度)
- お酒(一升瓶一本)
- お水(コップ一杯)
※今回は腰高の長机などの上にお盆等に並べ、設営をさせていただきました。
昭和、平成、令和を駆け抜けて
昭和48年、新潟県上越市の木田工場(山本産業 機械製作部)で稼働を開始したVTO16。その歴史の背景には、この一台に携わってきた多くの技術者の歩みがあります。
なぜ、この設備がこれほどまで長く現場で重用されてきたのか。
次回の【第2部】では、現場管理職であるKさんが18歳で入社した当時の記憶とともに、VTO16と共に歩んだ職人たちの記録、そして山本産業時代から受け継がれる「ものづくりの原点」について振り返っていきたいと思います。
産機工場についてはこちら
産機工場|大径銅合金部品に特化した産業機械加工拠点
取り扱い製品はこちら
一般産業機械関連|高耐久な銅合金摺動部品による安定稼働

